フォスター&グルベンキアン管/プッチーニ:『蝶々夫人』(2SACD) メロディ・ムーアのカリスマ的歌声! ローレンス・フォスター率いるグルベンキアン管が実力派歌手たちを迎えて『蝶々夫人』を録音! SACDハイブリッド盤。ヴェルディ『オテロ』の録音など「PENTATONE」レーベルの顔である指揮者ローレンス・フォスター。期待のオペラ新録音は待ちに待った『蝶々夫人』です。蝶々さんはフォスターが激賞するソプラノ、メロディ・ムーア。彼女も「PENTATONE」レーベルから数多くの録音を発表しておりますが、その圧倒的な歌声はますます磨きがかかり、ドラマティックな演技力と歌唱力で現代最高のソプラノの1人に数えられます。またピンカートンはステファノ・セッコが、スズキはエリーザベト・クールマンが配役されており、実力派の歌手たちが揃いました。フォスターはこの作品がもつ独創的でドラマティックな構造と卓越したシンフォニックな響きを最大限に引き出しており、その名人芸も堪能できます。 名曲ながら意外にも全曲録音、しかもSACDハイブリッドでの新録音が少ないだけに、当盤はオペラ・ファンのみならずオーディオ・ファンにも狂喜と言えましょう。(輸入元情報) 【収録情報】 ● プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』全曲 メロディ・ムーア(蝶々さん/ソプラノ) ステファノ・セッコ(アメリカ海軍大尉ピンカートン/テノール) エリーザベト・クールマン(スズキ/メゾ・ソプラノ) レスター・リンチ(長崎駐在アメリカ領事シャープレス/バリトン) アレクサンダー・カイムバッヒャー(ゴロー/テノール) ケヴィン・ショート(僧侶ボンゾ/バス=バリトン) アミタイ・パティ(貴公子ヤマドリ/テノール) フロリアン・ケーフラー(神官/バス) ホルヘ・レイリーア(書記、役人/テノール) ティアゴ・バティスタ(薬師手/バス) セシリア・ロドリゲス(蝶々さんの母親/メゾ・ソプラノ) フィリパ・パッソス(蝶々さんのおば/ソプラノ) サラ・マルケス(蝶々さんのいとこ/ソプラノ) グルベンキアン合唱団(合唱指揮:ホルヘ・マッタ) グルベンキアン管弦楽団(コンサートマスター:マーリア・レイノ) ローレンス・フォスター(指揮) 録音時期:2019年6月、7月 録音場所:リスボン、カルースト・グルベキアン財団大講堂 録音方式:ステレオ(DSD) SACD Hybrid CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND https://www.hmv.co.jp/en/news/article/2110071059/ Foster & Gulbenkian Tube / Puccini: „Madame Butterfly“ (2SACD) Die charismatische Singstimme von Melody Moore! Gulbenkian, geleitet von Lawrence
2019.4.9 La Femme C’est Moi~クールマン、愛を歌う(東京・春・音楽祭) 2019年04月09日(火) 16時00分00秒 テーマ: コンサート 現代最高のウィーンのメゾ・ソプラノ、エリーザベト・クールマンさんが企画構成と歌を披露する、東京・春・音楽祭2019の特別な公演を聴きに行きました。 La Femme C’est Moi~クールマン、愛を歌う (東京文化会館大ホール) ■出演 企画構成、歌:エリーザベト・クールマン ヴァイオリン:アリョーシャ・ビッツ ヴィオラ、編曲他:チョー・タイシン チェロ:フランツ・バルトロメイ コントラバス:ヘルベルト・マイヤー クラリネット、サクソフォン:ゲラルト・プラインファルク アコーディオン:マリア・ライター ピアノ:エドゥアルド・クトロヴァッツ ■曲目 記事本文、またはこちらをご参照ください。 http://www.tokyo-harusai.com/program/kulman.pdf ※東京・春・音楽祭の公式ウェブサイトより エリーザベト・クールマンさんはこれまで3回聴いたことがあります。2014年大晦日のウィーン国立歌劇場のJ.シュトラウスⅡ/こうもりのオルロフスキー公爵、そして、昨年GWのウィーン・フィルの定期演奏会で聴いたバーンスタイン/交響曲第1番「エレミア」の独唱です。どれも本当に素晴らしい公演、特に後者はレニーの記念年に最高のエレミアを聴けて感無量でした。 (参考)2014.12.31 J.シュトラウスⅡ/こうもり(ウィーン国立歌劇場) https://ameblo.jp/franz2013/entry-11983665165.html (参考)2018.5.5&6 ダニエル・ハーディング/エリーザベト・クールマン/ウィーン・フィルのバーンスタイン&マーラー https://ameblo.jp/franz2013/entry-12390376173.html https://ameblo.jp/franz2013/entry-12392254228.html 今日の公演にも当然大いに興味を持ちましたが、実は既にサントリーホールのジョナサン・ノット/スイス・ロマンド管弦楽団のフランス・プロのチケットを取っていました。特にジャン=フレデリック・ヌーブルジェさんとのドビュッシー/ピアノと管弦楽のための幻想曲を聴きたかったので、泣く泣くクールマンさんの公演は諦めることに…。 しかし、3月15日に東京・春・音楽祭2019の開幕公演を聴きに行って、プログラムを購入したら、何と!クールマンさんの公演の曲目にバーンスタイン/サムウェアが入っているではないですか! これは聴きに行くしかありません! ということで、サントリーホールのチケットは家族に上げて、私は東京文化会館へと向かいました。 さあ公演が始まりました!ピアノ五重奏にクラリネット(サクソフォン)とアコーディオンが加わる楽しい構成。エリーザベト・クールマンさんは客席から登場。はう~、美しい!そして、見事なスタイル! まずはサン=サーンス/デリラのアリア。このアリアは昨年11月にMETライブビューイングでエリーナ・ガランチャさんの妖艶でふくよかな歌に痺れたばかりですが、クールマンさんのデリラも硬質で凜とした素晴らしい歌声!冒頭からもう涙涙…。 (参考)2018.11.18 サン=サーンス/サムソンとデリラ(METライブビューイング) https://ameblo.jp/franz2013/entry-12420221369.html カルメンのハバネラも素晴らしい聴きもの。クールマンさんはオペラの舞台を去られたそうなので、オペラでカルメン役を観ることはもうできないのかも知れません…。逆に今日はとても貴重な機会。演奏のみなさんを挑発する絡みもいい感じ。アコーディオンが入ってタンゴ風のカルメンもいいですね。 途中のコール・ポーターやブリテン、アンドリュー・ロイド・ウェバーの英語の歌も素晴らしかったですが、やはりドイツ語の歌はピカイチ。シューベルト/糸を紡ぐグレートヒェンなど大いなる聴きものでした。 そして、前半のハイライトはR.シュトラウス/ばらの騎士第1幕ラストのマルシャリンのモノローグ!ウィーンで学び花開いたクールマンさん。歌といい美貌といい気品といい威厳といい、もう絶品のマルシャリン!涙涙…。ああマルシャリン、オペラでも観たかった…。ラストはビートルズで小粋な終わり方でした。 ほとんど前半だけでお腹いっぱい(笑)ですが、さらに凄かったのが後半。まずワルキューレの騎行から始まります。ホヨトホーオッ!の旋律をクラリネットがグリッサンドで吹くのが素敵過ぎる!(笑) そして魔笛の夜の女王の第2幕のアリア。メゾのクールマンさん、例の高いコロラトゥーラはどうするんだろう?と思ったら、上手くコミカルな感じで回避していました。ですよね~(笑)。 続いてワルキューレ第2幕のフリッカの聴かせどころ。この場面は3月のシルヴァン・カンブルラン/読響のシェーベルク/グレの歌の森鳩役が素晴らしかったクラウディア・マーンケさんが妖しい声色で歌っていたのが非常に印象に残っていますが、クールマンさんはもう完璧な歌唱!嫉妬の炎を燃やすフリッカ、というよりは神々の神々しさを感じました。途中で一瞬、エルダの警告が入りますが、観客のみなさま、お~、という反応。さすがよく聴かれていますね。 (参考)2014.8.11 ワーグナー/ワルキューレ(バイロイト音楽祭) https://ameblo.jp/franz2013/entry-11914239578.html そしてヴォータンが陥落したら、クールマンさん、何と豹変して、「イェーイ!」とVサインを見せて、そのままカルメンのエスカミーリョの闘牛士の歌!(笑)この辺り、もう自由自在でしたね。
2015年、17年に東京・春・音楽祭の歌曲シリーズに登場し大人気だったメゾソプラノ、エリーザベト・クールマン。14年からの《指環》、とりわけ15年の《ワルキューレ》フリッカでオペラ歌手としての実力を示したクールマンは、2回の歌曲の演奏会でも、その練られたプログラムで聴き手に強い印象を残した。 そんな彼女は近年、クラシック以外のジャンルの音楽を取り入れたコンセプチュアルなコンサートに活動の重心を移している。その最新シリーズである「La Femme C’est Moi」が、19年、東京春祭に登場。 第1部は愛と時間を、第2部は政治をテーマに、シューベルトの歌曲からヴェルディ、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、ビゼーのオペラ・アリア、コール・ポーターの楽曲やマイケル・ジャクソン、ビートルズのナンバー、そしてキャバレー・ソングやシャンソンまで予定されており、選曲は多岐にわたる。 これはコンサートというよりも、ひとつの完結したショー、いや抜群の歌唱力を持つクールマンが演じる音楽ドラマだと思った方がいい。編曲は、ヴィオラ奏者でもあるアレンジャー、チョー・タイシンが担当。バックを務める室内アンサンブルのメンバーは他にクールマンの長年のパートナーであるピアノのエドゥアルド・クトロヴァッツ、ウィーン・フィルの元首席チェロ奏者であるフランツ・バルトロメイ、同じくウィーン・フィルの首席コントラバス奏者ヘルベルト・マイヤーら、実力派が勢ぞろい。 歌と音楽の可能性を追求し尽くしたパフォーマンスで、出色の一夜になるに違いない。 文:室田尚子 (ぶらあぼ2019年1月号より) Elisabeth Kulman, eine Mezzosopranistin, die 2015 und 2017 in der Liederreihe des Tokyo Spring Music Festivals auftrat und sehr beliebt war. Coolman, der mit „Ring“ von 2014 sein Können als Opernsänger unter Beweis stellte, allen voran „Walküre“-Flimmern im Jahr 2015, beeindruckte den Hörer mit seinem
Musikverein Großer Saal 2018年4月23日 19時30分~21時50分Wiener Philharmoniker 指揮 Daniel Harding メゾソプラノ Elisabeth Kulman Leonard Bernstein (1918-1990): Symphonie Nr. 1 „Jeremiah“ Gustav Mahler (1860-1911): Symphonie Nr. 5, cis-Moll これはウィーン・フィルのソワレ公演。 ズービン・メータがキャンセルして、ソワレはハーディングに変更、と 連絡が入って来た時から チケットを狙っていて、ラッキーにも入手できた (^^)v しかしプログラムが超重量級である。 バーンスタインという作曲家の作品 ついついウエスト・サイド・ストーリーとかが頭に浮かぶが バーンスタインの交響曲は このエレミアも不安の時代もカディッシュも ともかく・・・重い。ずっしり来る。 もちろん相変わらず宗教や信仰が中心部に ど~んと居座ってるし(あ~、バーンスタインのファンのみなさま、ごめんなさい) 30分ほどの曲だが ユダヤ教の意識が強く現れていて この間のカディッシュと同じく いや、たぶん、もっと、この曲は 噛み砕くのが難しい。 不協和音の連続で不安を掻き立てるような楽章から始まる。 ハーディングという指揮者は 私の印象では、非常に細かい部分に拘って 大編成オーケストラでも室内楽的な演奏をする感じなのだが 今回の演奏は、かなり強くてマッチョで 最初から、汗を握るような緊張感の連続で押して来る。 あ~、何だか聴いていて、身体中が締め付けられるような感じ。 ヴィヴァーチェ・コン・ブリオの第2楽章のリズム感、躍動感 緊張感がずっと止まらない。 その、不安を煽り立てるような緊張感との対比で 最終楽章の Lento の クルマンのこの上なく美しい