3.4.2017 · blog.goo.ne.jp · o.A

序夜「ラインの黄金」は聴き逃したのですが、3年越しで遂にリング最終回「神々の黄昏」に辿り着きました。毎年、素晴らしい演奏を聴かせてくれるヤノフスキとN響のコンビ。直前の水曜日にシークフリート役のロバート・ディーン・スミスとブリュンヘルデ役のクリスティアーネ・リボールが交代するとの連絡をもらい一抹の不安はあったのの、今年も緊張感と集中力一杯のパフォーマンスで、リングの締めのくくりに相応しい至高の演奏会でした。 人間国宝の職人さんのようなヤノフスキですが、今年もN響から筋肉質で引き締まった音を引き出してくれました。「神々の黄昏」は初めて聴くので、比較の対象がないのですが、煽りすぎることなく、かといって抑えているわけでもなく、直球のワーグナー・ワールドでした。更に、毎年恒例のライナー・キュッヒルがゲストコンサートマスターとして引っ張り、弦の迫力、厚みがぐっと増します。欧州演奏帰りのN響は、更にスケール感が出たような。管があれっと思わせるところはあったのですが、休憩を除いて4時間を超える長丁場を気合一杯の気持ちの入った演奏で、ちょっとした「?」は全く気になりませんでした。 歌手陣では、ハーゲン役アイン・アンガーの地獄からの響きのような迫力あるバスが圧倒的。舞台を完全に支配してました。急遽、代役出演となった2人のうち、ブリュンヒルデのレベッカ・ティームは全く代役とは思えない堂々たる歌唱。逆に、ジークフリートのアーノルド・ベズイエンは、まだこの役に慣れていないのか、終始楽譜を見ながらの歌唱。声量において他の歌手陣に見劣りしたため、重唱場面ではちょっと苦しく、聴いているものもかなりハラハラするところがありました。ただ、ソロ歌唱が中心の第三幕は彼の美声がよく通ってました。それ以外の外国人歌手、日本人歌手、そして合唱陣も堂々たるレベルの高い歌唱で、こんな公演は、欧州でもなかなか聴けないレベルと言ってよいでしょう。 ステージ奥には、恒例のスクリーンに、岩山、城、川の中など場面場面のイメージ映像が投射されます。賛否両論あるようですが、適度に物語の場面を想起させるツールとして、私は嫌いではありません。 休憩入れて5時間10分ほど。開演前は、果たしてそんなに長時間、私自身耐えられるか不安があったのですが、長さはほとんど感じなかったです。それだけ、演奏に集中できていたのでしょう。こんな音楽を聴ける自分の幸運にひたすら感謝です。やっとリングを通しで全曲聞き終え、達成感一杯でホールを後にしました。 東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.8 『ニーベルングの指環』 第3日 《神々の黄昏》 (演奏会形式/字幕・映像付) Tokyo-HARUSAI Wagner Series vol.8 „Der Ring des Nibelungen“ Dritter Tag ‚Götterdämmerung‘ (Concert Style / With projected images and subtitles) April 1 at 15:00 Tokyo Bunka Kaikan Main Hall Conductor: Marek Janowski Siegfried: Arnold Bezuyen Gunther:

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24.4.2015 · Sponichi.co.jp · o.A.

第2幕ではエギルス・シリンス(ヴォータン)、エリーザベト・クールマン(フリッカ)、キャサリン・フォスター(ブリュンヒルデ)が夫婦、父娘の葛藤を歌い、壮大な《リング》のストーリーの根幹を呼び起こす。深い表現力が拮抗(きっこう)するワーグナー歌いの響宴となったが、中でもクールマンの艶やかで芯のあるメゾ・ソプラノはひときわ精彩を放っていた。 Sponichi.co.jp, April 2015 Im zweiten Akt besingen Eguils Sirins (Votan), Elisabeth Kulman (Flicka) und Catherine Foster (Brynhildr) den Konflikt zwischen dem Paar und ihrem Vater und ihrer Tochter und beschwören damit die Grundlage der epischen „Ring“-Geschichte. Es war eine Symphonie von Wagners Gesang mit tiefer Ausdruckskraft, aber unter ihnen war Kulmans glänzender und kerniger

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